日本人の5人に1人が悩んでいるという睡眠問題。一体どうしたら良質な睡眠がとれるのだろうか。効果的な睡眠について、『ナグモクリニック』総院長の南雲吉則医師が教えてくれた。
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睡眠は量よりも質。明け方まで夜更かしして、昼過ぎまで寝ていたら“体内時計”は完全に狂ってしまうよ。昔からいうように質のよい睡眠の秘訣は、“早寝早起き”なんだね。
質のよい眠りのポイントは、夜10時から夜中の2時までの間は眠ること。この時間を“睡眠のゴールデンタイム”というんだけれど、このとき脳から“若返りホルモン”である成長ホルモンがだくだくと出て、傷ついた肌と粘膜をよみがえらせてくれるんだ。さらに、脂肪を燃焼させ、肌を白くもしてくれる効果も。がんまで予防してくれるともいわれているから、この時間に眠らない手はないよね。
ぼくはどんなに仕事がたまっていても夜10時には必ず寝るんだよ。飲み会があっても途中退席して、絶対に10時には眠る。そして朝4時に起きて、診療が始まる9時までの間、溜まっていた仕事を片づけたり、本を読んだり、メールをしたり、本を書いたりするんだ。
昼間だと周りの人に話しかけられたり、電話が鳴ったり、テレビの音が気になったりするけれど、明け方なら誰にも邪魔されないしね。朝早く起きたら、よい睡眠を得られるだけじゃなく、ぼくの場合はなんと5時間もの自由な時間を手に入れられる。ぼくはこれを“人生のボーナスタイム”と呼んでいるんだ。
ところで、明け方のレム睡眠は、脳が休んでいないから無駄な睡眠のように思う人がいるかもしれないけれど、実はそうではない。悩み事のある人にはとても重要な睡眠なんだ。なぜなら明け方のレム睡眠中に見ている夢は、記憶の整理をしているから。
夢とは記憶しておくべき情報と捨てる情報を仕分けするために、これまで見たものや聞いたことをバラバラにつなぎ合わせたものなんだ。夢を見ているとき、脳は嫌な記憶を脳の深いところにしまい込むんだ。
そのおかげで嫌なことをいつまでもくよくよ思い出さなくてすむってわけ。だからストレスや心配事がある人は明け方までぐっすり休もうね。
※女性セブン2013年2月21日号