数ある宗教団体のなかでも、特に“集客力”と“集金力”を持つ巨大新宗教の最新動向はどうなっているのか。
創価学会を支持母体とする公明党が政権与党に復帰し、同党の太田昭宏氏が国土交通大臣になった。宗教学者の島田裕巳氏が指摘する。
「創価学会の信者の中には建設や不動産に携わる自営業者がかなり多い。安倍首相が打ち出す経済政策で公共事業の大盤振る舞いとなれば、潤う人も多いはず」
創価学会は日蓮系、法華系の在家団体である。高度経済成長期に急速に勢力を拡大した。島田氏はこう話す。
「当時入会した人の多くは東京や大阪などの大都市圏に出てきた地方出身者。生活基盤を確立できていない彼らに、創価学会は『信仰さえすれば豊かになれる』と説き、信者を増やしていった」
現在、創価学会は信者数を827万世帯と発表している。なぜ個人単位でなく世帯単位なのか。島田氏は言う。
「学会に入ると、その証しとして御本尊の曼陀羅が一家に一つ授与される仕組みになっている。827万世帯というのは授与された御本尊の数。途中で信仰をやめてしまった世帯もカウントされているので、実際の世帯数はもっと少ないはず」
※SAPIO2013年3月号