中国で最も人口が多い4大直轄市の一つ、重慶市でこれまでの5年間(2008年1月~2012年末)で賄賂など金銭絡みや女性関係などの腐敗事件で失脚した幹部は4804人にのぼっていることが分かった。
これは、2003年から2007年の5年間の30%増という大幅な増加となった。この時期は汚職や当の規律違反で逮捕された重慶市のトップ、薄熙来・前同市党委書記の在任期間とほぼ一致しており、トップの薄熙来の影響が強いとみられる。華僑向け通信社、中国新聞網が報じた。
これは、同市の人民検察院(地検に相当)がまとめた「重慶市人民検察院工作報告」が明らかにしたもので、失脚した4804人中、局長級の幹部が60人、部長級の幹部は852人も占めている。そのほかの末端幹部は4000人足らずで、いずれも職権を利用して、腐敗に手を染めている。
注目すべきは10万元(約146万円)以上の賄賂を受け取った幹部が461人もいることで、ほぼ年間の所得に相当する。
これらの逮捕者のなかには、市トップだった薄熙来や腹心といわれ米国総量間に駆け込んで亡命を求めた王立軍・元副市長、さらに薄熙来や王立軍の部下だった幹部が多数含まれている。
また、薄熙来の妻の谷開来も英国人ビジネスマン殺害事件で逮捕され、執行猶予2年付きの死刑判決を受けているが、多数の市幹部がこの事件に関わっていることが分かっており、薄熙来在任中の重慶市の5年間は “無法地帯”だったとも形容されそうだ。