“若者のクルマ離れ”と言われる中、「新成人のカーライフ意識調査2013」(1992年4月2日~1993年4月1日生まれの1000名にアンケート)が今年もソニー損保から発表された。クルマ離れは進んでいるのか? 実はクルマへの憧れは、まだあるのだろうか?
まず新成人の免許証や車の保有についてだが、「運転免許証保有率」は57.1%で、過去3回の調査の中で最も高い数値となった。男性の62.4%は女性の51.8%より高く、都市部40.0%と比較して、地方61.2%はぐんと高い。運転免許保有者571名にクルマの保有を聞いたところ26.6%がマイカーを所有しており、また所有していない人の73.0%つまり4人に3人が「自分の車を所有したい」という結果になった。
そしてクルマ選びのポイントを複数回答で聞いた質問では、1位「価格」70.1%、2位「デザイン」60.0%、3位「燃費」44.3%。具体的に欲しい車種名を聞くと、1位「キューブ」(日産)18.2%、2位「プリウス/プリウスα」(トヨタ)16.8%、3位「「BMW3/5シリーズなど」(BMW)13.8%、4位「タント」(ダイハツ)13.6%、5位「ムーヴ」(ダイハツ)13.6%とコンパクトなクルマが優勢。
若者に限らないトレンドでもあるが、スポーツカーや高級セダンといった“カッコよさ”よりも、価格や燃費などコストパフォーマンスを含めた“機能性”を重視する傾向が感じられる。例えば、欲しいクルマ5位にランクインしたダイハツの「ムーヴ」は、昨年のマイナーチェンジで、クラストップの低燃費や軽初の衝突回避支援システム「スマートアシスト」などを搭載。1月20日現在、月販目標台数1万2000台に対し、受注台数が2万1000台を達成するなど好調だ。
都市部でのクルマ離れに注目が集まりがちだが、エリアによってはやはり必需品であり、実際は「車に興味がある」が50.3%で半数をわずかに超え、逆に「『若者の車離れ』とは自分のことだ」は32.6%に留まった。また「同年代で車を所有している人はカッコイイと思う」が全体で51.6%、都市部在住の女性が最も高い58.3%という結果に。
経済的な理由や、カーシェアリングなどの選択肢が増えて、若者がクルマを所有する機会は減っているかもしれないが、“クルマから離れた”わけではなく、次代のクルマ文化を担う日本の若者層ニーズや、選ばれるクルマのトレンドが“変化しているだけ”といえそうだ。