遠く海を隔てた米国で一人の日本人が話題になっている。
ロサンゼルスタイムズ紙によれば、ソフトバンク・孫正義社長がシリコンバレーでも指折りの高級住宅地ウッドサイドに豪邸を購入したというのだ。その額なんとケタ違いの約108億円。個人の購入価格としては、プレミアリーグ・アーセナルのオーナーであるスタン・クロエンケ氏の約122億円に次ぐ全米2位の記録というから米国で注目されるのもうなずける。
約3万6000平方メートルもの広大な敷地には、ヴェルサイユ宮殿を思わせる約830平方メートルもの白亜の邸宅。道路から玄関まで200メートルはあるだろうか。その間、周りは高い樹木に囲まれ、幾重にも並ぶ池には清水が流れ込む。
立派なプールはもちろんのこと、10数台は停められる駐車場も用意されている。さらにこれだけの豪邸にベッドルームはわずかに4つというから、一つの部屋がどれほどの広さなのか想像もつかない。
話はこれだけではない。シリコンバレーだけあって同じ町内には、ITで巨万の富を築いた名だたる経営者たちが豪邸を構える。インテルの創業者やオラクルのCEO、ヤフーのCOO……、さらには、孫氏が尊敬してやまなかった故スティーブ・ジョブズ氏の私邸も(現在建て替え中で建設中に逝去)。
ちなみに隣町には楽天の三木谷浩史会長兼社長の邸もある。こちらは約11億円と孫氏の約10分の1。まあ、豪邸であることに変わりはないが。
それにしても、なぜ孫氏はこの豪邸を買ったのか。近くに母校カリフォルニア大バークレー校があるというから、学生時代に夢見た憧れの地に居を定めたかったのか。はたまたIT経営者たちへのライバル心の表われか。当初の売り出し価格約78億円に30億円も上乗せして購入したというから、並々ならぬ決意に違いない。いずれにしてもそのスケールに呆れるばかり。
※週刊ポスト2013年3月1日号