「入社5年目のカトパンが大出世して、6年目のショーパンの上司になるらしい」
一部のスポーツ紙がそう報じ、話題になっている。報道によれば、2年連続で好きな女子アナランキングで1位になったカトパンこと加藤綾子アナ(27)が、フジテレビ開局史上最年少の管理職に昇進するのだとか。
「上級主任」なる役職に大抜擢され、現在の年収1700万円が一気に3000万円までアップ。多忙な割に稼ぎが少ないことへの本人の不満を抑え、フリー転出を防ぐのが狙いという。ならば、先輩であり同じく人気アナのショーパンこと生野陽子アナ(28)の上司になるのか? と注目を集めたのだが……。
あるフジテレビ局員はこう笑う。
「確かにウチの局は給料はいい方ですが、あの若さで年収1700万円なんて絶対にない。しかも、ゴボウ抜きで出世させたら局内に軋轢ができてしまうし、そもそも上級主任なんて役職はありません。夢があっていいし、それで人材が集まればいいんですけどね」
それでも加藤アナは若手とはいえフジの露出ナンバーワン女子アナだ。平日は午前3時に出社して『めざましテレビ』に出演し、その後に『ホンマでっか!? TV』など夜の番組の収録をこなす。ときには特番の司会もあり、週末には東京マラソンの進行などの仕事が入って休日返上。
「局アナでなくフリーのタレントなら、年収1億円以上の働き」(キー局幹部)といわれる彼女の実際の年収はどれぐらいなのか。
フジの現役のアナウンサーが匿名を条件に語った。
「女子アナといってもフジテレビの社員ですから、制作や報道部門の社員と大差ありません。加藤だと、1100万円ぐらいか、どんなに多く見積もっても1200万円。手取りで900万円ぐらいでしょうね」
「え~、そんなもんなの?」という声が聞こえてきそうだが、これが「現実」だ。
フジテレビの社員はおよそ5年ごとに主務1級、2級、3級とステップを踏んで主任になる。アナウンス室ならその先に副部長、部長、室次長、室長の役職階段が続く。加藤アナは主務2級で、年次からいって基本給は月30万円に達しないぐらいだという。
「アナウンサーだからといって特別な手当はない。加藤ぐらい忙しくても、いわゆる残業代や休日出勤手当、住宅手当などすべて見込んでも月額60万円ほどが限界なんです。
そこに、夏冬のボーナスと年5回程度支給される10万円弱の一時金がある。フジテレビでは6段階のボーナス査定がありますが、室長や部長など複数の役職者が評価するので1人だけ突出するのは考えにくく、加藤でも上から2番目ぐらいのはずです」(同前)
※週刊ポスト2013年3月1日号