ブレイク中の女芸人・キンタロー。(31才)を始めとして、福田彩乃(24才)など数多くモノマネ芸人が、活躍している。古くはモノマネ四天王に始まり、その次の世代であれば、原口あきまさ(37才)、コージー冨田(45才)、ほり(36才)など。これだけ“量産”されながらも、浮き沈みの激しい芸能界で、長期間活躍している人が多い。いったいなぜだろうか? そこにはある理由が…。コラムニストのペリー荻野さんが分析した。
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先日『情熱大陸』(TBS系)で福田彩乃が密着されていて、新ネタで常盤貴子をやっていたのですが、芸能界に疎い人は福田彩乃という名前は覚えなくても“常盤貴子をやっていたあのモノマネのあの子”と記憶に残っていく。モノマネ芸人って、モノマネのネタで覚えてもらえるメリットがあると思います
芸のすごさもある。彼らは、感覚や思いつきでやっていると見られがちですが日ごろから、ものすごく芸を磨いている人が多い。福田彩乃も番組内で、骨や筋肉を動かしながら声の出し方を調節すると言っていました。しかも何度もDVDを見ながら、練習してコツコツレパートリーを増やしている。以前、コロッケにインタビューしたときも、ひとつのネタを完成させるのに顔や体の動きから徹底的に研究すると話していました。だから、彼らは長く活躍できるのかなと思います。
それに、売れる芸人は視点の面白さが抜群です。キンタロー。にしても、今まで前田敦子のモノマネをやった人はいたと思いますが、あのレベルまでやれる人はなかなかいなかった。彼女のネタも、前田敦子の総選挙での名言や卒業宣言での“あの瞬間を”切り取ったから面白いわけで。こうした場面の選び方に芸人のセンスが出ますよね。
もうひとつ、モノマネ芸人の仕事の安定性というところにも触れておきます。ある程度売れている人なら、主な仕事としては、テレビのバラエティー出演がありますが、モノマネ特番も定期的にありますよね。日本テレビでもフジテレビでもやっているので、そこに照準を合わせていいネタを持っていけば、この番組には出られるわけです。ベテランである程度実績あれば、ずっと出ている人もいますよね。
もちろん、以前活躍してたのにテレビにあまり出なくなった人や、そもそも売れていなくてテレビに出られない人も大勢いますが、モノマネ芸人の場合は、普通の芸人よりも営業に強いということが言えると思います。営業先には、ライブハウスから地方のイベント、温泉地でのショー、披露宴の余興のようなものまでありますが、モノマネって年代や性別問わず誰にでもわかりやすくて盛り上がりやすい。知名度のない芸人が営業先でネタをやって会場を漫才やコントで盛り上げようと思っても、そう簡単じゃないですから。
有名歌手や大物芸能人の名前を出して芸ができるということも営業では強みとなる。美空ひばり、和田アキコ、美川憲一、矢沢永吉といった大物歌手のモノマネをしている芸人はいっぱいいますが“モノマネ芸人の誰々です”と言われてもピンとこないけれど、“永ちゃんに声も見た目もそっくり”、“美空ひばりの歌マネをやらせたら日本一”、なんていわれたらちょっと見てみたくなるでしょ。こういった有名芸能人のネタをいくつも持っている芸人なら、アピール効果はかなり大きいです。
こうしたことから考えると、キンタロー。が来年、消えるんじゃないかという声が早くも出ていますが、これまでの一発屋芸人と違って、彼女はモノマネ芸人ですからね、意外と長く活躍を続けるかもしれません。