国内

宮城県・石巻の観光地「石ノ森萬画館」現在はどうなってる?

 東日本大震災の被災地、宮城・石巻市は、コラムニストの木村和久さんが高校卒業までを過ごした地。木村さんが、縁ある人々の安否を自身の足で尋ねながら、震災直後から現在の状況までをレポートします。今回は、昨年11月に再開した観光スポット「石ノ森萬画館」についてです。

 * * *
 仮面ライダーやサイボーグ009でお馴染みの、石ノ森章太郎さんの記念館「石ノ森萬画館」が昨年の11月、ようやく再開となりました。石ノ森さんは、石巻の隣町の登米市石森地区で生まれたので、町の名前をペンネームにしていたのです。

 その近所のよしみで、平成13年に宇宙船のような近未来的な萬画館ができて、大盛況だったのですが、今回の大震災で、相当な被害を受けました。何しろ萬画館の場所が、北上川の中ノ島、中瀬にあったわけで、もろ海からの津波に直撃されのみ込まれたのです。

 幸い建物が丈夫だったので、外枠は修理して使えることが判明。市の予算7億5000万円が投入されての再開となりました。この時期に、莫大なお金をかけて修理をするなら、復興住宅や仮設住宅の維持にお金をかけろという意見もありますが、街のシンボル的なものが再開した方が、市民の励みになるし、外部からお客さんがやって来るのではないかと。私は、そっちの意見に賛成です。

 久しぶりに訪れた萬画館は、感無量というか、入り口に再開の横断幕がど~んと吊るされて、涙ものです。受付のサイボーグ003のコスチュームを着たお姉さんが、にこやかにお出迎えもグッドです。

 各漫画界の先生がたが、寄せ書きの色紙を沢山書いてくださり、日本の漫画家のほとんどが集結したといっても過言ではありません。

 そういえば石ノ森先生は、手塚治虫先生も住んでいた「トキワ荘」の仲間です。当時のトキワ荘の模型もいい感じの古ぼけ具合で展示してありました。

 石巻近辺は、松島や金華山などの観光地はありましたが、街としては、とりわけ目だった観光資源があるわけではないのです。ですから、石ノ森萬画館に懸ける情熱は、並々ならぬものがあります。

 仙台と石巻を結ぶ仙石線(現在部分開通)には、マンガッタンライナーという、ロボコンなどのキャラクターが描かれた電車があり、それに乗って石巻に着くとサイボーグ009のキャラクターがホームでお出迎え。

 石ノ森ワールドのキャラクターがいくつも配置されています。そのオブジェは、駅前から商店街を抜けて、萬画館まで続くのです。すでにオープンから、200万人以上が来場した石巻最大の観光スポット。是非復興のために頑張って、沢山のお客さんを呼んで欲しいですよね。

※女性セブン2013年2月28日号

関連記事

トピックス

SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
漫画家・柳井嵩の母親・登美子役を演じる松嶋菜々子/(C)NHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合) 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
松嶋菜々子、朝ドラ『あんぱん』の母親役に高いモチベーション 脚本は出世作『やまとなでしこ』の中園ミホ氏“闇を感じさせる役”は真骨頂
週刊ポスト
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン