戦隊ヒーローといえば今や子供だけでなく、そのイケメンぶりから母親世代にも大人気だが、百獣戦隊ガオレンジャー、仮面ライダーアギト、忍風戦隊ハリケンジャー、仮面ライダー龍騎といった一世を風靡した元戦隊ヒーローたちが中心になって、ムード歌謡グループ「純烈」を結成し話題を集めている。
きっかけは、リーダー・酒井一圭(37才)の提案だった。
「子供のころからこの業界にいますが、プロデュース業もこなすうち、何か新しいことをやりたいと思っていたんです。同期の玉山鉄二(32才)とか要潤(31才)はバリバリ活躍しているし、せっかく表舞台に立っているわけですから。そんなとき、親の世代でも知っている歌謡曲を自分たちが歌ったら話題になるだろうし、活躍して紅白歌合戦に出場すれば親孝行にもなるんじゃないかと思って。そんな思いを伝えてメンバーをスカウトしていきました」
メンバーは元戦隊ヒーローたちに加え、東京理科大学の学生だった後上翔太(26才)とバンドミュージシャン林田達也(30才)。ムード歌謡という未知のジャンルで、全員が快諾したことに驚かされるが。
「もともと歌を学んだわけでもないし、ムード歌謡=正直ハテナでした。でも何か挑戦したかった」(白川裕二郎・36才)、「活動のために大学も中退したので、親には猛反対されました(苦笑)。でも、未知な世界だからこそ、自分でもできるんじゃないかって思えた」(後上)というように、メンバー全員が酒井の考えに共感し“面白いことをしたい”という気持ちで集結した。
しかし、営業先は今もキャバレーやスーパー銭湯、ショッピングセンターなどが多い。華々しいテレビの表舞台とは一転したが、苦労は感じないのか?
「酔ったお客さんとか、怖そうなかたに絡まれることもありますけど、嫌だと思ったことは一度もない。カリスマ性はないかもしれない。でも身近な存在でいたいから、お客さんをステージに上げて一緒に楽しんでもらいます」と口を揃えるメンバー。
ときには、「イケメン俳優のままでいいのに」と厳しい言葉も浴びるそうだが、逆にそれが「絶対成功してやる」という奮起につながるという。
そんな彼らの奮闘ぶりに目をつけたのは、テリー伊藤(63才)。「キャバレーに来てくれて、とても面白がってもらいました。それから朝の情報番組『スッキリ!!』やラジオに何度も呼んでいただきました」(酒井)。
お客さんを笑顔にするヒーローが夢の舞台に立つ日も遠くないかも。
※女性セブン2013年2月28日号