今年も、2月18日から確定申告が開始される。「サラリーマン過程は会社の年末調整で済んでいるから必要ない…」と決めつける前に、医療費は戻ってくる可能性も。その疑問をQ&A方式で紹介する。
Q:きょうだいで介護費用を負担している場合の確定申告は?
A:例えば兄と妹がそれぞれ親に生活費を送金している場合は、双方が親と“生計を一”にしていると認められれば、2人ともが親の介護費用を、医療費として控除の申告をすることが可能(ただし、親を扶養親族にできるのはどちらか一人。事前に話し合いをしておこう)。
公認会計士・税理士の渡辺義則さんが次のように話す。
「医療費の控除には領収書が必要ですから、親にはきちんと領収書をもらっておくように頼んでおきましょう。“兄妹で親の医療費をきっちり半分ずつ負担”するのは難しいので、例えば居宅サービスの費用は兄が、医療用器具の費用は妹が負担するというように担当を決め、領収書を分けるといいでしょう」
Q:高級有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅でのサービス費は控除される?
A:介護保険制度を利用しているケースで、施設サービス費が医療費控除の対象となるのは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設のみ。最近は高級有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅なども増えているが、こういった施設の食費や居住費は基本的に対象外だ。詳しくはそれぞれの施設に確認しよう。
Q:高額医療もOK?
A:保険のきかない自由診療は治療代が高額になるが、医療費控除の対象になるものも多い。例えば、歯の治療。子供の成長を阻害しないための歯列矯正、高価であっても金やポーセレンを使った義歯の挿入などの一般的な治療であれば、控除の対象になる。一方、美容目的の矯正は対象外。ほかに不妊治療や眼科のレーシック手術も控除の対象になる。一般的に病状に応じて支出される水準を著しく超えない部分の金額が対象となると考えればOK。
最後に、以下3項目で対象になるもの、ならないものを紹介する。
<眼科治療>
視力回復のためのレーシック手術、角膜の屈折異常を特殊なコンタクトレンズの装用で治す「オルソケラトロジー治療(角膜矯正療法)」は控除の対象に。近視や遠視などのために日常生活の必要性に基づき購入されるメガネ、コンタクトレンズは、対象外となる。
<歯科治療>
金歯やポーセレン(陶材の歯)、インプラント治療は控除の対象となる。一方、主に“審美歯科”で受ける美容目的の矯正やホワイトニングなどは対象外。
<出産費用>
妊娠後の定期健診や検査費用、通院費用、出産で入院するときに利用したタクシー費用は対象。実家で出産するために帰省する交通費や入院時に使用する寝巻きや洗面具など身の回り品を購入した費用や、入院時に病院以外で支給された食費は対象外。
※女性セブン2013年2月28日号