昨年12月の総選挙で惨敗を喫した小沢一郎氏だが、改革への思いは消えていない。『小沢一郎 嫌われる伝説』著者で政治ジャーナリストの渡辺乾介氏に、今何を思うのかを語った。
──何をもって(改革の)完成とするのか。
小沢:議会制民主主義が定着して、軌道に乗るところまで持っていかないといけない。このままだと夏の参議院選挙でも自公が勝って、そこにプラスどこがくっつくのか知らないけれども、大政翼賛的な大勢力ができて、他は雲散霧消するんじゃないかという恐れをみんなが持っているし、僕もそう思う。
だから、参議院選挙に間に合うかどうかわからないけれど、明治維新でいえば薩長連合を中心にした雄藩連合をもう一度つくって、維新を断行する方向に持っていかないといけない。
その中心になるのは、昨年末の総選挙でわかったんだけれども、民主党なんですね。あれほど下手くそな、でたらめな政権だった民主党だけれども、一度政権を取ったから、国民には何となく自民党の対抗勢力は民主党だとインプットされている。
民主党は総選挙で意地悪くうち(生活)の前職候補全員に、直前になって対立候補をぶつけてきた。民主党の候補は当選しなかったけれど、それでも2万~3万の票を取った。そう考えると、やはり自民党の対抗勢力は民主党が中心になるというふうに国民も何となく思っているんですね。
数の上でも多少は維新の会より多いし、仮に民主党がもう一度、政権奪還という志を強く持って、大同団結を呼びかけることができれば、早ければ参議院選挙も間に合うし、間に合わなくても次の総選挙ではやれる。また政権交代はできる。
──民主党が聞いたら、大喜びしそうな話ですが。
小沢:だけど、今のままじゃだめですね。大きな志を持たないといけない。
※週刊ポスト2013年3月1日号