日本各地で、様々な新宗教の巨大建造物を見ることができるが、大阪・羽曳野丘陵に設けられたPL教団の「大平和祈念塔」を見たことがある方も多いだろう。そして、同教団こそ、甲子園の常連校、PL学園高校の設立母体として知られるパーフェクトリバティー(PL)教団だ。関西学院大学の對馬路人教授(宗教社会学)は言う。
「教団の前身である『ひとのみち』が戦前、弾圧を受けて解散させられたが、二代目の御木徳近教祖が再建。教義を『人生は芸術である』という言葉で表わし、人は表現活動によって暗闇がなくなり救われると説いた。こうした教えは都市部の中産階級の気持ちをうまく汲み上げた」
同教団は手広く多角経営を行なっていることでも知られ、中核企業の「光丘」は光丘カントリークラブなど4つのゴルフ場を経営、年商は35億円に上る(同社ホームページによる)。病院運営にも乗り出し、1956年にPL病院を開院(当時は宝生会病院。現在の病床数は370床)、1970年には東京に人間ドック専門の施設、PL東京健康管理センターを開設している。
また8月1日に行なわれる花火大会は特に有名だ。正式名称を「教祖祭PL花火芸術」と言い、れっきとした宗教行事である。打ち上げられる花火の数は数年前まで公称10万~12万発だったが、最近では他の花火大会に合わせて計算方法を変更、約2万5000発としている。それでも隅田川花火大会に匹敵する規模であり、日本最大級の大会であることに変わりはない。
※SAPIO2013年3月号