夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、アパレルメーカー勤務のご主人(50歳)。奥様(49歳)はご主人のことが大好きなようです。
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結婚20年、未だにラブラブなのはいいんですが、「アナタがいかに魅力的な男性か周囲にアピールしたいの」と、僕のことで見栄を張ります。一緒に買い物に行くと、薬局に入り、「コンドームあります? 普通のではなく、スーパーラージの。主人ったら……フフフ」店員の視線が僕の下半身に釘付けになります。
近所の奥様たちにも僕がいかにモテるかアピール。「アナタの座右の銘をいって」妻に教えられた通り、「酒と女は二合(二号)まで」と答えると、「もう、これなんだもん! 今は1人に絞ったけど、昔は何人も彼女がいて私も泣かされたわ」って、実際はモテたことなんてないんですけどね。
近くに女房の妹が住んでいて、週末遊びに来た時、「お義兄さんは?」と聞かれると、パチンコに出掛けているのに、「若い子とデートしてるみたい」。僕が「そんな見栄の張り方って、相手が変に思うだけだよ」といったら、「もう、いわないことにしたわ」と女房。なんで?
「妹から『今度の日曜日もお義兄さん、デートなの?』と聞かれたから、『もちろんよ』っていったら、『日にち指定の高級中華ディナー券をもらったんだけど、じゃあ無理ね』って。アナタのせいで、フカヒレを食べ損なったじゃないのよ!」
ラブラブだと思ったのに、1枚のディナー券で吹っ飛ぶ恋だったなんて……。
※週刊ポスト2013年3月1日号