ドラマ『とんび』(TBS系)が初回視聴率17.0%と1月クールのドラマでトップを記録し、その後も好調をキープしている。必死で親であろうとする昔気質の熱血おやじを演じる主役の内野聖陽(44才)は、まさにはまり役だが、彼自身、家族に対する思いには特別なものがある。
内野は、横浜市内にある寺院の住職の長男として生まれた。小さい頃から“跡取り息子”として厳しく育てられた。僧侶の資格も取得し、檀家先でお経を読むこともあったという。だが、親の反対を押し切って、早稲田大学に進学。英語サークルで演劇の舞台に立ったのをきっかけに、卒業後は俳優の道に進んだ。
2002年に父親が他界すると、葬儀の席で、内野はこう宣言した。
「住職の跡を継ぐことはできません」
夫に先立たれたばかりか、長男からは跡継ぎを拒否され、母親はやり切れない表情を浮かべていたという。結局、叔父が寺を継ぐことになったが、以来、内野と母親は絶縁状態となってしまう。
その溝は埋めがたいもののように思われたが、それを埋めてくれたのが、再会を果たした長女(6才)の存在だった。一路真輝(48)才との離婚後、親権は一路が持つことになり、以降、内野は娘と会うことはなくなっていた。
「内野さんは離婚してひとり身となり、子供と会えない寂しさを痛感したんです。ようやく長女と再会できたときは、嬉しさのあまり涙が出たそうです。そんな経験をして、内野さんは、お母さんが今まで、どんな気持ちで過ごしてきたかと思いを巡らせ、自らお母さんに会いにいって、“もう一度親子を始めよう”と謝ったそうです」(内野家の知人)
そして昨年2月には、横浜のアパートでひとり暮らしをしていた実母を、内野の自宅から徒歩10分ほどのマンションに呼び寄せた。引っ越し前、実母は周囲に内野のことを嬉しそうに話していたという。
「お母さんは“息子の世話になろうと思ってるの、息子がね、来いって言ってくれてるんだ”って笑ってね。引っ越し当日は、内野さんも手伝いにやってきて、荷造りや荷物運びをてきぱきとこなしていましたよ」(前出・内野家の知人)
そして内野は初めて、母親に孫を引き合わせたという。
「今、娘さんが内野さんの家に泊まりにくるときには、お母さんも呼んで、親子3代水入らずの時間を過ごしているみたいですよ。娘さんも“おばあちゃん、おばあちゃん”となついているそうです。内野さんは“ようやく親孝行できたよ”なんて言ってましたね」(前出・内野家の知人)
※女性セブン2013年3月7日号