日本新聞協会によると、2012年の一般紙の発行部数は4372万部(朝夕刊セットを1部として計算)。2002年が4739万部であるから、10年間でおよそ350万部、全体では1割弱減っていることになる。世帯数は2002年の4863万に比べ、2012年は5417万と1割以上増加し、一人暮らしや少人数での世帯が増える一方で、新聞の購読率は明らかに減少しているのだ。
総務省の発行する「平成23年版 情報通信白書」では、「新聞を読む」時間について、2005年からの5年間で20代の一日あたりの接触平均時間は「5.44分」から「1.44分」、10代は「2.51分」から「0.81分」ともはや1分を切る。一方で、若者の半数以上が「ネット利用が増えた」と回答。なかでも、パソコンとほぼ同等の閲覧機能をもったスマートフォンの登場は総務省も「ユーザーメリットが大」と分析する。
また、世代別の「テレビを見る」時間でも、10代では2005年に1日平均106分だった視聴時間が、2010年には70分と3割以上減少。20代でも、2005年に104分だったのが2010年には76分になっている。
■登録者200万人 若年層に支持される“スマホで読むニュース”
では、今の若者はニュースを何で読んでいるのか――
「インターネットニュース、それもパソコンではなくスマートフォンが多いと思います」と話すのは、NHN Japan株式会社のLINEニュース担当者だ。
NHN Japanでは、「ライブドアニュース」を運営しており、そのなかから厳選した記事を「LINEニュース」としてLINEから配信している。そのLINEニュースは、2月19日にアカウント開設から約1年で登録者が200万人を突破。プッシュ通知による定時購読が可能で、ニュースの概要を3つの“小見出し”でまとめた「ざっくり言うと」といったコーナーを設けるなど、隙間時間にスマートフォンで手軽にニュースを読めるところが支持されている理由のようだ。
「スマートフォンは常に身につけているものであり、電車の中など、“なんとなく”手持ち無沙汰なときにスマートフォンって触りがちですよね。いまの若い世代はニュースも“なんとなく”目に入ってくるものが受け入れられる傾向があると思います。パソコンのニュースサイトだと、『よし、読むぞ』とちょっと気持ちを入れないといけない。でも、メールのような形で“今日こんなニュースがあったよ”というお知らせレベルであれば、興味がなかったらそのままでいいし、興味がわいたらURLをクリックすればいい。そのときにも、『ざっくり読むと』で、詳細の前に“なんとなくニュースを理解させる”ことで、より手軽に情報を得られるスタイルをとっています」
たとえば、電車のなかでも、中吊りを読んだだけでも、なんとなく今話題になっていることなど、“旬のネタ”がわかるものだ。
「それと同じです。なんとなく話題になっていることを、“なんとなく”いつでもどこでも知ることができるのが、LINEニュースの特徴といえます」
LINEニュースの配信は主に朝8時、夕方6時の1日2回。ただし受け取る時間はユーザー側で昼12時、夜10時の設定も可能となっている。配信されるニュースの選定方法は「ニュース受け取る時間によって異なる」とのこと。通勤や通学、昼休み、睡眠前など1日の中で隙間時間となるタイミングで、手軽に読むことができるようなニュースを配信するように心がけているようだ。
ツイッターやフェイスブックだと、それぞれの公式アカウントをフォローしなくてはならない。今の若者の特徴として、さまざまな情報元からのニュースを集めたポータルサイト経由でニュースを読むということがセルコホームの調査によりわかっているが、それも“多様なニュースを知りたい”から。真面目なニュースから“知っ得情報”まで幅広くカバーしているLINEニュースは、“多様なニュースを手軽に”読むことのできるものとして、そういった若者のライフスタイルにぴったり合致しているといえる。実際にLINEニュースを利用している女子大生のAさんは、こう話す。
「ツイッターやフェイスブックのみだと、自分の友人や知り合いが興味あるニュースしか流れてこないですよね。でも、今後社会人になる上で一般的なニュースは知っておきたいですし、さらにいま就職活動中なので、ちょっとした空き時間を活用してニュースを見るように心がけています。そういった部分でもLINEニュースはありがたい存在です。わざわざニュースサイトにアクセスしなくても毎日送られてくれるし、大きなニュースは号外もありますから、世の中の動きを知るには使い勝手がいいですね」