国際情報

日本漁船に威嚇繰り返した中国艦と海保巡視船の一触即発写真

漁船への威嚇を続けた「海監66」は「みずき」に急接近

「逃げても逃げても追ってくる。最も近づいた時は70mくらいの距離でした。中国艦の機関銃は我々に向けられ、いつ発砲されるかと生きた心地がしなかった」──2月18日、尖閣諸島の北小島付近で漁をしていた「第11善幸丸」の乗組員が振り返る。

 この日の朝10時頃、善幸丸の視界に入ってきたのは中国の国家海洋局の監視船「海監66」だった。海監66はジグザグ航行しながら急速に接近した。「このままでは拿捕される」と感じた善幸丸は、母港の石垣島に全速力で走りだしたが、中国艦は約90分間にわたって威嚇を繰り返しながら追い続けた。

「付近にいた海上保安庁の巡視船『みずき』が2隻の間に割り込んで我々を逃がしてくれた。それがなければどうなっていたか……」(乗組員)

 この間、乗組員が撮影していたのが、ここに掲載した写真だ。「みずき」と「海監66」は今にも衝突しそうな間隔で並走していることがわかる。数度にわたる尖閣取材の経験を持つ報道写真家の山本皓一氏はこう指摘する。

「日本漁船への威嚇行為は過去にもあったが、90分間もの追跡は前例がない。善幸丸を捕まえ、『中国の領海に侵入した日本船を拿捕した』と、強引に世界にアピールするという狙いまで中国側は考え始めているのではないか」

“尖閣有事”はいつ起きても不思議ではない。

写真提供■第11善幸丸の乗組員

※週刊ポスト2013年3月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

田中圭と15歳年下の永野芽郁が“手つなぎ&お泊まり”報道がSNSで大きな話題に
《不倫報道・2人の距離感》永野芽郁、田中圭は「寝癖がヒドい」…語っていた意味深長な“毎朝のやりとり” 初共演時の親密さに再び注目集まる
NEWSポストセブン
春の園遊会に参加された天皇皇后両陛下(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会ファッション》皇后雅子さま、選択率高めのイエロー系の着物をワントーンで着こなし落ち着いた雰囲気に 
NEWSポストセブン
現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
週刊ポストに初登場した古畑奈和
【インタビュー】朝ドラ女優・古畑奈和が魅せた“大人すぎるグラビア”の舞台裏「きゅうりは生でいっちゃいます」
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン