日本一“カワイイ区長”の退任を区民たちはきっと悲しんでいるだろう。
福岡市のPR活動の一環として昨年8月に開設された仮想の行政区「カワイイ区」の区長を務めていたAKB48・篠田麻里子の“退任発表”は大きく報道された。「女性はかわいくあるべきだといった男女差別の意識を助長する」などの苦情4件が昨年11~12月に寄せられたため、篠田にこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないと市側が判断したという。
カワイイ区は誰でも(男性も可)HPから住民登録ができ、区民は提携レストランなどで割引などの特典を受けられる。現在、県内外から4万人以上の区民が登録している。 市役所内では当初から冷めた見方が広がっていたという。
「隣の糸島市出身の篠田さんが高島宗一郎・市長と会談した際に話が盛り上がって生まれた企画です。しかし、タレントのPRになっても、福岡市のPRになるかは疑問でした。さらに、住民票の発行受付業務を委託契約を結ばずに地元テレビ局に丸投げしていたことが発覚し、市議会で問題視されていた。今回の区長退任でも、たった4件の苦情で動いたため、『カワイイ区をやめたくなった市長が苦情をでっち上げたのでは』なんて冗談が飛び交ってます」(市役所職員)
区長の後任はまだ決まっていないが、今後も区は存続させる方針だという。しかし、退任発表後、すでに数百人単位の“人口流出”が始まっている。
繁華街・中洲のキャバクラ勤務のカワイイ区民(23)が憤る。
「しのまりちゃんが区長やけん住民登録したとに、ほんとに残念やん。区民やめたいけん、住民票代の300円、返してほしいっちゃけど」
※週刊ポスト2013年3月8日号