野球界には数々の個性溢れる選手がおり、その中には今も語り継がれる伝説がある。その中には、「ウソでしょ?」と思うようなエピソードも数多い。ここでは、ミスタープロ野球・長嶋茂雄氏が練習後、試合があることを忘れて風呂に入ったという伝説を真面目に検証してみよう。
これは真実。ミスターが自伝『燃えた、打った、走った!』(日本図書センター刊)で明かしている。自身を〈人一倍忘れっぽい〉と語るミスター。事件は1971年5月、通算2000本安打まで2本に迫った時に起きた。
〈試合前のバッティング練習が終わったとたん、衝撃的にザンブと風呂にとびこんでしまい、「あれっ、オレはなんで風呂なんかへはいっちゃったんだ?」と自問自答してみんなに大笑いされた。〉
さらに風呂を出て、靴下を履こうとすると、なぜか片方だけ足に合わない。
〈よくよく見ると、カカトの裏皮(原文ママ)に「18」という背番号がある。いつの間にか堀内(恒夫)のを片方だけ持ってきてしまったらしい〉
並外れた集中力から起きた珍事なのか? やはり天才は一味違うようだ。
※週刊ポスト2013年3月8日号