モバイルユーザーの、フィーチャーフォン(ガラケー)からスマートフォン(スマホ)へのシフト化がすすんでいる。22日にオリコンDDが発表した「モバイル端末に関する意識・実態調査」によると、スマホ利用者とガラケー利用者はそれぞれ50.4%と42.4%で、すでにスマホ利用者がガラケー利用者を上回る。
一方で、現スマホ利用者に「使いこなせている」実感があり、「満足している」と答えた人は、全体の半分を切る47.6%という結果に。反対に、「使いこなせていると思わない、やや不満を感じていると考えている」人は52.4%にのぼっており、スマホを持ちながらも「イマイチ機能を使いこなしきっていない」という人のほうが多いことが明らかになった。
オリコンDDでは、「使いこなせている実感があり、満足感を持っているスマホ保有者」をスマホ使いの上級者として“神スマ”層、イマイチ使いこなせていない層を“(仮)スマ”層と命名。満足度の高い「神スマ層」のアプリ平均ダウンロード数は18個、よく使うアプリの平均数は7.1個なのに対し、「(仮)スマ層」のアプリ平均ダウンロード数は11.8個、よく使うアプリ数の平均数は5.4個と、アプリの数が満足度を分けると分析する。そんな宝の持ち腐れである「(仮)スマ層」な人達に、ガジェットアイテムは「まずはいち早く試してみる! 迷わず使えよ、使えばわかるさ!」のがモットーの人材コンサルタント・常見陽平が喝を入れる。
常見氏は「アプリを使いこなさないスマホなんて、その時点で情弱認定!情弱ぅ、情弱ぅ!」と(仮)スマ層 を一蹴。「スマホを買っておいて、アプリを入れないっていうのは、ガラケーでいいじゃん!っていう話。皆が買っているからとりあえず買っとけ、みたいな主体性のない姿勢で持つのはムダでしかありません」(「」内常見氏、以下同)
「何のアプリを入れたらいいのかわからないという人も加えて、世の中には、“アプリ迷子”の人がいます。自分にどのアプリが必要なのか、合っているのかがわからず、とにかくいっぱい入れて迷走している人です。
アプリは入れれば良いというものではありません。ただ、良さは使ってみないとわからないわけですので、とにかく使ってみて、“なんか違うな”とか“結局使わなくなったな”というアプリはさっさと削除してまた“アプリ探検”をしてみる。それを繰り返すことで、自分にとってのアプリの使い方がみえてきます。
これはアプリに限らないのですが、参考書でも、ハウツー本でも、とにかく試してみる。合わないな、なんか嫌いだなという直感があったら、次を探しましょう。“せっかく買ったんだから…”などというのは時間の無駄です。アプリの良い点は、“お手軽”という点で、購入するのも、削除するのも実に簡単。アプリの活用によりダイエットに成功した人、お金を貯めることに成功した人などもいます。今の時代、自分探しならぬアプリ探しでもして、情報の取り方、生活の仕方を身につけたほうがよっぽどいいんじゃないでしょうか。まあ、使い倒す技を身につけるのも手ですけどね」
ひと口にアプリといっても、さまざまなものがある。ゲームや音楽などエンターテインメント性の強いものはともかく、“情報取得”という意味では、辞書やニュースサイトなど、パソコンでのWeb検索でも同じ情報であるアプリも多い。そんなアプリのメリットについて、常見氏は「モタモタしないでいいこと」を第一に挙げる。
「ネット上で検索するよりもアプリのほうが、断然早く情報にアクセスできますよね。例えば私は、毎日社説の読み比べなどで使っており、瞬時に比較するのに非常に便利。また、ツイッターやフェイスブックを利用する際にも、スピード感が全く異なってきます」
今、Webサイトは、すでにガラケー用のものよりもスマホ用に力をいれて作られてきているし、アプリ対応はキャリアにとっても無視できない。NTTドコモではiモードメニューを引き継ぐ形で、自社のスマホ向けポータルサイトへのショートカットアプリ「dメニュー」を提供。KDDIでは「auスマートパス」として、月額390円で500本以上のアプリが取り放題のサービスを展開している。
「これからは、スマホを買ったからアプリを入れる、というよりもアプリを使いたいためにスマホにする、という人も増えてくるのでは。自分の必要とする情報へいかに早く、深くアクセスできるか。これが、カギですね」(常見氏)