ベビーカーやランドセルと同様、少子化の影響で、“行事もの”への出費も減少傾向が続く。しかし、ひな人形は時代に合わせて進化を遂げ、新たなビジネスを生みだしている。
キャラクターものや現代風の変わり種ひな人形が続々と誕生するなか、昔ながらの王道ひな人形も生き残りを賭けて“サイズ”にアレンジを加え始めたのである。
「マンション住まいで段飾りは難しいというお客さまが多く、コンパクトでそのまましまえる親王飾り(お内裏さまとお ひなさま2人だけのもの)がよく売れています」というのは新宿タカシマヤの広報担当。さらに、日本橋三越本店の広報担当は、「親王飾りでも、年々、ひな壇 の幅が狭くなってきているんです。最近は幅60~65cmのものが人気です」と話す。縦にも横にも縮小している。
「お財布はお祖父さま、お祖母さまに任せて、3世代で買いに来られるかたも多いですね」(新宿タカシマヤ・広報担当)。また、本来は、嫁の実家がひな人形を贈るというのが慣わしだが、大人女子の“自分買い”という新しい動きも。
「最近は40代以上の女性が自分用に買われることも。こちらも親王飾りがほとんどですが、一年中インテリアとして飾っておけるようなカジュアルなものから10万円の有名作家さんのものまでさまざまです」(日本橋三越本店・広報担当)。形を変えながらも、日本人の伝統行事として“ひな祭り”は続いていく。
※女性セブン2013年3月14日号