数ある宗教団体のなかでも、特に“集客力”と“集金力”を持つ巨大新宗教はいかほどの集金力を持つのか。 たとえば、創価学会が発表する信者数は827万世帯だが、それは学会に入会した際に授与されたご本尊の曼荼羅の数であり、「途中で信仰をやめてしまった世帯もいるため、実際の世帯数はもっと少ない」と宗教学者の島田裕巳氏は指摘する。
それでも集金力は群を抜いている。喜捨(お布施)や寄付がベースになるのは他の教団と同様だが、さらに優遇税制の恩恵を受ける収益事業が巨額のカネを生み出す。その一つが聖教新聞社が発行する機関紙の聖教新聞だ。発行部数は公称550万部で毎日新聞の400万部を大きく上回る。ジャーナリストの段勲氏は言う。
「聖教新聞社は創価学会の収益事業部門であり、優遇税制が受けられる。学会幹部は聖教新聞の拡販を『啓蒙活動』と呼び、信者に部数を競わせている。1世帯で複数部購読するケースはめずらしくなく、中には個人で10部以上購入して近所に配っている信者もいる」
※SAPIO2013年3月号