九代目市川中車こと香川照之(47才)の父である二代目市川猿翁(73才)は1月下旬から、“肺炎”を患い、都内の病院に極秘入院している。
2003年11月に脳梗塞を患って以来、話すことも不自由になり、入退院を繰り返し、表舞台から姿を消した猿翁。
そんな彼が、再び公の場に戻ってきたのが、2011年9月の香川との“45年ぶり親子和解”を発表した会見だった。以来、猿翁は、中車を襲名して歌舞伎界入りした香川に振り回されるような形になっていく。
昨年6月、香川の歌舞伎デビュー公演では、猿翁も口上だけながら舞台に登場。翌7月には8年半ぶりとなる舞台復帰を果たす。このときは、香川が黒子となって父を支えたことが、多くのメディアで取り上げられた。
今年に入ると、NHKで猿翁・香川親子に300日間密着したドキュメンタリー番組が放送されるなど、体調が万全でないながらも猿翁の露出はどんどん増えていった。
「猿翁さんの体を考えると、まだ表舞台に出てくるのは無理だったんです。しかし、香川さんが“親子の絆”を演出するためには、やはりどうしても猿翁さんを担ぎ出して表に出ていく必要がある。結果的に無理をさせてしまったんですよ。表に出ないで、これまで通り、演出だけに徹していれば入院することもなかったと思うんですよね。今猿翁さんが病に伏せっているのは香川さんのせいだと思っている人は少なくないと思います」(梨園関係者)
少々手厳しい見方ではあるが、香川に対しては、澤瀉屋(おもだかや)内部からも不満が高まっているという。
「ドキュメンタリー番組では、猿翁さんがリハビリする姿が流れたんですが、猿翁さんの必死の形相は苦しんでいるとしか見えなかった。これには、お弟子さんたちや後援会から“猿翁さんのこんな姿を見たくなかった”という声があがっていて、それを放送することを許可した香川さんに不信感があるようです」(前出・梨園関係者)
澤瀉屋といえば、実力だけで客を呼んできた集団。それだけに、“親子の絆”を売り物にする香川には、澤瀉屋の役者たちから、どんなに良い芝居をしても、結局は香川の親子物語になってしまい、これは純粋な歌舞伎ではない――そんな憤りがあふれていると、前出の梨園関係者は言うのだ。
そして入院中の猿翁も、実は香川に対して複雑な思いを抱いているという。
「猿翁さんは肺炎とともに、少しうつっぽい症状が出ているそうです。それなのに香川さんは、お見舞いにやってきては、猿翁さんに“お父さん、頑張って!”と励ますそうです。うつ傾向の人に“頑張って”と言うのはあまりよくありませんからね。猿翁さんも今では、香川さんにあまり会いたがらないそうです」(病院関係者)
※女性セブン2013年3月14日号