別府や湯布院など温泉地として知られる大分県が『おんせん県』を商標登録申請。香川県の『うどん県』を手本にし、なんとか温泉日本一の地として観光PRしようとしたが、待ったがかかった。
もの申したのは日本でも屈指の温泉名所として知られる草津温泉がある。こちらも観光PRとして温泉を売りにしているだけに、「大分県に許可をもらうかたちにしたくはない」と反発した。
「日本は温泉大国。それなのに大分県だけに『おんせん県』を独占されたら困ると思いました」(群馬県観光物産課・宮下雅和さん)
大分県にはその他の県からも「どういうことだ」と問い合わせがあり、あまりの反響の大きさにホームページに釈明文を掲載。各都道府県にも同様のものを文書で送った。
「あくまで観光PRが目的であり、第三者が『おんせん県』を登録した場合、この言葉が使えなくなったり、料金が発生するのを防ぐためのもので、各県の使用を妨げるつもりではないと説明しました」(大分県観光・地域振興課・柴北友美さん)
大分県の説明に対し、群馬県も「大分県がおんせん県の名称を独占しないというなら」と了承した。
以後、この2県は友好関係にあるという。
しかし、「大分県は総湧出量と源泉量日本一の県であることは間違いないのでこれからも“日本一のおんせん県”として国内外にPRしていく予定」(前出・柴北さん)とあくまで大分県としては“日本一の温泉県”にこだわっていくという。
※女性セブン2013年3月14日号