WBC日本代表は審判にも神経を尖らせている。豪州との練習試合後に、打撃不振に苦しむ主砲・阿部慎之助が「ストライクゾーンに戸惑いがある」と漏らしたが、
「MLBでは審判の尊厳が高く守られており、日本と同じ感覚でジャッジに不満をいえば、即刻、退場処分になる。言葉が通じないだけに、不満そうな仕草だけで退場させられることがあるので要注意です」(MLB担当記者)
思い返せば、2006年の第1回では米国人審判の不可解な判定(*)で王ジャパンが敗退のピンチに追い込まれた苦い経験もある。
ただ、過去の代表スタッフからはこんな声も上がる。
「第1回も第2回も、滑るボールや審判の問題は同じ。山本ジャパンは大会前から“滑る”とか“ストライクゾーン”という不安を口にしすぎている。代表に現役メジャーリーガーがいたら“気にしすぎるな”とアドバイスできるのだが、1人もいないというのが不利に働いている」
負けた時の言い訳の準備、とは思いたくないが……。
【*注】第2ラウンドの日本―米国戦、同点で迎えた8回に日本が犠牲フライで勝ち越したと思われた場面で、米国人の主審が三塁走者のタッチアップが早かったとしてダブルプレーを宣告。映像では明らかにタッチアップが成立していた。この試合で日本は敗れ、2次ラウンド敗退が濃厚となったが、その後、米国がメキシコに敗れたために日本が準決勝に駒を進めた。
※週刊ポスト2013年3月15日号