東日本大震災では、津波被害による犠牲者が多く出たが、もし、これが都会で起きた場合はどうなるのだろうか。
大阪や名古屋、高知など広い平野が続く場所では、とてもではないが、徒歩では高台まで間に合わないケースもある。その場合は、車での避難がベターだが、注意も必要だ。
『震度7が残した108の教訓』(小学館)の著者で作家の荒尾和彦さんが解説する。
「車で避難する場合は、必ず窓を全開にしてください。被災直後は情報が限られていて、町内放送や一緒に避難している人たちの声などが大事な情報であることも多いので、聞き逃さないようにする必要があります。また、万が一津波にのまれてしまった場合にも、そのまま窓から避難できます。
さらに注意が必要なのは、同じ避難所や高台を目指すことになるので、渋滞が起きやすいことです。実際に、東北では車で身動きが取れなくなり、そのまま津波にのまれ亡くなった人が大勢いました。車は10cmの津波でも車体は浮き上がってしまいますし、50cm水没してしまうと、電気系統がダメになって窓も開かなくなってしまうそうです。臨機応変に車を捨てることを念頭に逃げてください」
※女性セブン2013年3月21日号