年々魚の消費量が減少し、売り場に切り身ばかりが並ぶ今、旬の魚がわからない人も多いのでは? そこで、地魚、漁師料理、漁業に関する記事を数多く手がけ、『世界の魚をおいしく食べる』『寿司ネタの通になる』(ともに祥伝社)など著書多数の魚の達人、水産ジャーナリストの野村祐三さんに、基本の“キ”を教えてもらった。
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めばち、本まぐろ、みなみまぐろ……まぐろにはたくさんの種類がありますが、春、食べるなら“きはだ”がイチオシ! そして“びんなが”。こちらも晩春~初夏にかけて多く獲れます。
日本には昔から春告鳥や春告草があるように、魚にも春告魚があります。これらの魚がスーパーなどに出回り始めると、春の訪れを感じます。ちょっと風流だと思いませんか。
2~6月にかけて、南から関東近海に上って来るかつおを『上りがつお』といい、脂が乗りきらず、さっぱりとした味。9~11月にかけて三陸沖などで獲れる『下りがつお』は、脂がのった濃厚な味。季節で味が違うんです。
商品表示に『たい』とだけ書いてあるものはまだいではなく、“ちだい”や“きだい”である可能性もあります。とくに“ちだい”はまだいと良く似ているため、素人ではまず見分けがつきません。味わいが違うので、買うときは注意して。
※女性セブン2013年3月21日号