2月10日の旧正月から2週間余りにわたってお祭りムードが続いていた中国で、とんでもないものを発見した。
中国内陸部の山西省武郷県、共産党施設の向かいにある「勝利広場」に大きな人形のようなものが並べられていた。よく見ると、その多くが服従する日本兵の姿だ。中華服を着た人形に馬乗りされる姿や、剣を突きつけられ服従する姿、巨大爆弾につぶされ圧死しかかっている姿など……。なかには日本兵の格好をさせたドラえもん(?)の人形まであった。記念写真を撮っていた地元の人に聞いた。
「この人形は、提灯だよ。中国では旧正月が終わりを迎える頃から、干支や蓮の花などおめでたいデザインの提灯(ちょうちん)を飾って祝う風習がある。ここも夜になると提灯に火が灯って、たくさんの人が記念写真を撮りにくるよ」
折しも、中国政府は国防予算が前年比10.7%増の11兆円超に及ぶと発表。不気味な軍事力の拡大と反日気運は、いったいいつまで続くのだろうか──。
撮影■西谷格
※週刊ポスト2013年3月22日号