「知事先頭でやる!」──2020年夏季五輪の招致を左右するIOC(国際オリンピック委員会)評価委員会の現地調査直前の親睦会でこう鼻息を荒らげた猪瀬直樹都知事。その言葉通り、視察初日からフル回転。
都知事が今回最も力を入れていたのが、自身が考案したという車いすテニスプレーヤー国枝慎吾とのラリー。実は評価委員らを驚かせるために極秘で進められたもので、情報を知った報道陣に対しても「絶対に公表しないよう」に念を押す“サプライズ演出”だったのだ。
知事は評価委員らが来る約1時間前から練習を開始。委員らに披露する頃には顔は赤く染まり、体中から湯気が出るほど。週1回テニスをやっている知事だけあって、大振りなラケット捌きながらも、しっかりラリー。最後は委員に届けとばかりのキレのあるスマッシュ! プレゼンテーターを務めた松岡修造氏も「個性的なテニスだが完全に心をつかんでいた」と好評だった。
ラリー同様、右へ左へと評価委員をえっちらおっちら追っかけた知事の4日間。スマッシュ同様、五輪招致もバシッと決められるか。
撮影■ヤナガワゴーッ!
※週刊ポスト2013年3月22日号