来る参院選で、このままでは暗澹たる結果が待ち受ける民主党。党職員の間では「今回は捨て選挙」という認識で一致しているという。 民主党ベテラン職員はこう語る。
「いっそ12月の総選挙の落選組に“落ちても衆院選に出戻りできない”というルールで出てもらえば、次の衆院選でその選挙区に新しい候補者が立てられて綺麗に世代交代できるという話まで出ている。たとえば仙谷(由人)さんや田中真紀子さんが出て落選すれば、衆院の徳島1区や新潟5区が空くから都合がいい」
こうなると、もっぱら党内の関心は、選挙戦よりも党の金庫にうなる167億円もの資金の行く先だ。
民主党という泥船から、いかにカネを持って脱出するか。参院選に前後して、このカネをめぐる分党工作が活発化する可能性がある。その仕掛け人として浮上しているのが、前原誠司氏だ。
党内では、前原グループが党資金を持って分党し、維新の会と連携するというシナリオが取り沙汰され、地元にも波及しているのだ。京都の民主党関係者はいう。
「実は先月(2月20日)、前原さんの元秘書の京都府議が民主党を離党して、無所属になったばかり。しかもその後に民主党京都府連の大会があったんですが、そこで、前原さんが『自分のためでもなく、民主党のためでもなく……』と演説をしたんです。先の衆院選でもしていた言い回しですが、党大会で『民主党のためでもなく』なんていったので、参加していた支持者の間で『やっぱり離党するのか』との噂が立っている」
民主党は、戦わずして負けている。
※週刊ポスト2013年3月22日号