「許せません! あの番組のせいで、結婚を誓い合った男性にも婚約破棄されてしまったんです……」
2月25日放送のTBS系バラエティ『私の何がイケないの?』に出演した藤井千紘さん(31)は、怒りに肩を震わせながら、こう話し始めた。彼女は番組で、男性客からの貢ぎ物を転売する「ブランド品転売キャバ嬢」と紹介された。
紹介VTRの後、スタジオに姿を現わした彼女は、男性たちに伍して働く女性たちに「もっと楽して稼げる気がする」と毒を吐いた。そのため司会の江角マキコはじめ出演者たちは激怒。
「それは詐欺罪だよ!」
と、集中砲火を浴びた。しかし、この「転売キャバ嬢」という設定そのものが「番組スタッフが作り上げた捏造」(藤井さん)というのだ。
「そもそも私の本業はブランド品リサイクルショップの社長なのです。番組への出演オファーも、私の仕事内容を紹介したいというものだった。だからこそ出演を承諾したんです。キャバクラ勤務はあくまで人脈を増やすための副業であり、プレゼントの転売でお金を儲けようとしたことなどありません」(同前)
彼女が異変に気がついたのはスタジオ収録が始まる直前だったという。
「紹介VTRを見て驚きました。私は“転売で稼ぐキャバ嬢もいる”と一般論を語っただけなのに、編集で“転売キャバ嬢”に仕立てあげられていたんです」
彼女は自分の会社のPRを期待していたのに、自分が社長である事実すら番組では伏せられていたという。
「こんなことなら出演を取り止めたいと思いましたが、スタジオには大物タレントがスタンバイしていて、とても言い出せなかった。今思えば私のミスですが、手渡された台本をもとに演技をしてしまったんです……。スタッフの方には何度も顔にモザイクをかけるよう頼みこみました。でも結局、私は素顔を全国に晒されてしまったんです」(同前)
現在、彼女はTBSに謝罪や損害賠償を求める内容証明を送り、BPOにも制裁を求める催告書を送るなど、徹底抗戦の構え。しかしTBSは反論する。
「夜はキャバ嬢、昼間は社長として出演依頼をしましたが、昼の仕事に影響があるといけないとの理由で社長業についてはカットしてほしいとの要望を受けて放送しませんでした。
ご本人納得の上で収録・放送を行なっており、事実誤認であるなどの指摘もありませんでした。したがって、やらせでも捏造でもありません。モザイクの要望もありましたが、番組側と藤井さんで話し合いをし、モザイクをかけないということになりました」(広報部)
両者の言い分は真っ向から食い違う。果たして軍配はどちらに上がるのか。
※週刊ポスト2013年3月22日号