昼ドラ『幸せの時間』(フジテレビ系)の性描写が問題視されている。これをどう判断するかは議論の分かれるところだが、一方で昭和から平成初期にかけて、画面には女性の裸体とエロチシズムが溢れていた。今では決してオンエアできない伝説のエロ番組を誌上プレイバックしてみよう。
お色気番組の元祖といえば、やはり多くの方は『11PM』(日本テレビ系)と即答するだろう。1965年にスタート、1990年3月まで約25年にわたって放送を続けたオバケ番組だが、放送初期のインパクトは大きかった。大橋巨泉、愛川欽也、藤本義一といった錚々たる面々が司会を務め、硬派な時事問題から、ストリップや性風俗の紹介まで、あらゆるテーマを網羅した。
特に人気を集めたのは、「うさぎちゃん」と呼ばれる女性レポーターがヌードで温泉を紹介する「秘湯の旅」だ。
今でも、後にAV女優となる冴島奈緒らうさぎちゃん出身者の美貌は語り草となっている。「うさぎちゃん、フランスへ行く」などの特別編も展開された。「効能は?」「泉質は?」という現在の温泉中継のフォーマットを作ったのがこの企画である。
番組史上最高視聴率を記録したのは、全国から人気ストリップ嬢を集めて競わせる「紅白ストリップ合戦」。年末の恒例企画で、世の男たちは「歌合戦」より楽しみにしていたものだ。
1969年には、ゴールデンタイムにもエロ企画が登場した。
『コント55号の裏番組をぶっ飛ばせ!』(日本テレビ系)の人気企画だった「野球拳」である。大勢の観客の前、しかも生放送で、当時の人気女優やアイドルが下着姿になるという今なら考えられない内容。しかしその圧倒的な熱量は、お茶の間を興奮の渦に巻き込んだ。野球拳に参戦した女優たちは通常下着姿で「ゲームオーバー」だったが、中には興奮のあまり自ら下着を脱いでしまった女性もいた。
※週刊ポスト2013年3月22日号