保育所に入りたくても入れない「待機児童」の問題は、なかなか解消されない。全国で約2万5000人いるといわれるが、潜在的な待機児童を含めると85万人という推計も出ている。
そもそも保育所は、国が定めた設置基準を満たす「認可保育所」と、そうではない「認可外保育所」の2種類に分けられる。入所希望者が多いのは「認可保育所」のほう。保育料が安く、園庭などの設備や職員数で一定の水準が保証されているからだ。一方、「認可外保育所」は、保育料が月10万円以上するような富裕層向けから、マンションの手狭な一室で行われるベビーホテルまでサービス水準はまちまちで保育料も高め。
東京都などは、「認可保育所」と「認可外保育所」の格差をなくすため、独自に設けた設置基準をクリアした認可外保育所を「認証保育所」として助成。さらに、各市区町村が「認証保育所」に子供を通わせる家庭を対象に月1万~2万円程度の助成をして、保育料などの差を埋めようとしているものの、解消には至らず、家庭の希望は「認可」に偏っている。
では、いったい保育所に入れるか否かの「合否」は、どのようにして決まるのだろうか。
「認可保育所」の場合、まずは親が各市区町村に入所申込書を届け出る。申込書にはおおよそ第5希望まで保育所名を記入する欄があり、親は事前に見学するなどして希望する保育所を決めておく。
しかし、各保育所の定員数に対して、倍以上の申し込みが殺到するため、各市区町村が独自に入所選考を行っている。その際、明暗を分けるのは「選考基準指数」と呼ばれる“ポイント”だ。これは、保育所への入所がその家庭にとってどれだけ必要かを判定するためのもので、“ポイント”が高い家庭から順に入所が認められる。
例えば、夫婦の就業形態でポイントが高いのは「フルタイムの共働き」→「フルタイム+パートタイム」→「フルタイム+専業主婦」の順。このほか、認可外保育所をすでに利用していたり、通勤する会社が遠方にあったりすると、ポイントが加算される。
一方、「認可外保育所」の場合、親が各保育所と直接契約。基本的には先着順で入所が決まり、人気の保育所ではキャンセル待ちが100人超となるケースもあるという。
※女性セブン2013年3月28日号