東日本大震災から丸2年が経ち、「次の地震はここで起こる!」といったニュースも数多い。しかし、そういった地震予知のほとんどが「いい加減なもの」と断言するのは、中部大学教授の武田邦彦氏(工学博士)だ。新刊『武田教授の眠れない講義 「正しい」とは何か?』(小学館)のなかで、武田氏はこう解説している。
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では、次の地震はどこに来るのでしょうか? 答えはわかっています。「わからない」、これが答えです。こんなふうに言ってもいいかもしれません。「明日にでも来るかもしれない」。
つまり、日本全国、どこにでも来る可能性があるのです。当たり前ですよね? 地震が来る可能性が高い、低い、を議論しても意味がないということです。可能性が低いと言われていたって、地震は来るのですから。
だとすれば、私たちがすることは決まっています。「自分のところに地震が来る」と思って、そのための準備をしておくということですね。具体的には、家の中だけでなく、自分の家のまわりを見ておくことです。自分のうちは高台なのか、それとも低地なのか。近くにビルがあるのか、ないのか。こうしたことを頭に入れておくのです。
津波対策にしてもそうです。今回の震災で、大きな3階建て以上の鉄筋コンクリートの建物は、津波でも損傷が比較的軽いということがわかりました。木造建築は、どんなに丈夫に建てていたものでもダメでした。
ということは、自分の家や職場の近くに、3階建て以上の鉄筋コンクリートの建物があるかどうか。これが重要になってきます。しかも鍵のかかっていない建物です。こういうところを見つけておいて、いざというときに逃げる算段を立てておくということですね。
※武田邦彦/著『武田教授の眠れない講義 「正しい」とは何か?』より