3月8日、第36回日本アカデミー賞授賞式で最優秀主演女優賞に輝いた樹木希林(70才)。そのスピーチで、「私は全身がんですから」と衝撃告白した。
現在、樹木は3か月に1回程度、鹿児島にある『UASオンコロジーセンター』の植松稔医師を訪ねている。手術も抗がん剤治療もせず、適宜ピンポイント放射線治療を行っているという。
「人はがんに向き合って自分を知るということじゃないかと思うんです。(がんが)治ることのためのがんじゃない」
本誌のインタビューにそう語っていた樹木。彼女の場合、自分を知ることになった結果、夫婦関係を見直すことにもなったし、自分の体を知るきっかけともなった。
樹木と親しい、ある映画関係者がこう話す。
「樹木さんは死ぬときに“納得がいかない”と思いたくないから、今を大事に生きるようにもなったし、周囲も自分と真剣に向き合ってくれるようになったと嬉しそうに話していたことがありました。樹木さんに言わせると、がんはありがたい病気で面白いんだそうです。いろんなよじれが見えてきて、人生が変わる。そういった意味で“賜りもの”なんだって」
そんな樹木が死の支度を託しているのが、娘婿の本木雅弘(47才)だ。2001年に都内に構えた二世帯住宅の1階部分に樹木が、2階部分に本木一家が住んでいる。1、2階はエレベーターのみでつながれており、互いの空間を大切にした構造となっている。
つい最近、ある番組で、樹木は命の始末について、本木とこんなやりとりがあったと明かした。
本木:「樹木さんはどういうふうに死にたいですか? 家ですか? 病院ですか?」
樹木:「できれば家で死なせてもらいたい」
本木:「わかりました」
前出の映画関係者によれば、樹木は本木に、亡くなった後のこともひと通り話してあるそうだ。
いくつか具体的にあげると、
●遺影はもう準備ずみ。映画『東京タワー』の時のものを使う。
●現在、家の中もきれいにしているくらいなので、棺の中にはなるだけ物を入れないでほしい。
●葬儀に来てほしい人も指定したい。
●死んだ後は、あんまり思い出してくれなくていい。自分のことは放っておいてくれていい。
など。遺書を書き、6畳分ほどあった本も処分するなど死への準備をしていく生活の中で、本木が「それにしても樹木さんは死なないですね」と言ったことがあった。樹木は「大丈夫よ、そのうち死ぬから」と笑って答えたという。
※女性セブン2013年3月28日号