どんなに髪の毛が薄くなっても、どんなに加齢臭がきつくなっても、男たるものダンディーでありたいもの。とはいえ、本当にダンディーならいいが、単なる勘違いとどうしようもなくて…。神奈川県に住むAさん(48才)が、なんとも悲しき勘違いダンディーな夫(47才)のエピソードを披露する。
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20代のころは石田純一に似ているとか言われ、女性にモテたらしい夫。現在は、頭髪前線がグーッと上がって、しかもかなりのメタボ。ま、どこにでもいるただのオッサンよ。
まったく、運命のいたずらとしか思えないわ。こんな夫が、「ダンディーな男性の取材をしているのですが…」と聞いたこともないような雑誌からインタビューをされたっていうんだから。
おもわず私「掲載したらお金、請求されるんじゃないの?」って聞いちゃったわよ。夫はムッとしたけど、たぶん誰も見つからないから妥協したんじゃないかしら? というのが私の見解。
でも、本人はすっかり「ダンディーなおじさん」になる気満々でさ。昔のアルバムをタンスの奥から引っ張り出して、自称“カッコよく撮れている写真”をフォトケースに入れ、家族に見える場所に飾り出したの。
それだけならまだしも、いつの間にか朝の洗面台を完全独占よ。30分も早起きして、ドライヤー片手に「納得ヘア」にたどりつくまで、声もかけられないような真剣さ。
それが終わると「まだまだいけるな」と言いながら、どこで買ってきたんだか知らないけど、安い香水をぶんぶん体にふりかける。
私と娘は、夫が帰ってきてもお風呂に入るまでは、自室に避難しているけど、バスでいっしょになったご近所さんはたまらないんだと思う。動く悪臭おやじだもん。
で、先日、とうとう近所の奥さんが「お宅の人、大丈夫かしら?」って。「きっと大丈夫じゃないから気をつけてね」と言ってやったわ。
※女性セブン2013年4月4日号