【マンガ紹介】
『まんが道(8)』藤子不二雄A/小学館クリエイティブ/1890円
『節電母さん』アズマカナコ(著)もりたしずく(イラスト)/集英社/998円
電気代に続きガス代もUPと痛い出費が増えそうな、この春。これは本腰を入れて節約をせねばならん、というところですが、苦手なかたも多いのでは? 私も「ああ、また出しっぱなし、つけっぱなし!」と後悔することの繰り返し…。
そんな私の生活とは真逆な超節約生活を描いた漫画がアズマカナコ『節電母さん』(集英社)。なんと、4人家族の1か月の電気代がわずか500円!! この母さん、とにかく徹底しています。まず、照明はほとんどつけない。
昼間は、陽のあたる場所に移動。明るいうちにお風呂に入る。夜は、暗くなったら寝る。テレビは押し入れにしまう。見たいときだけ出す。洗濯機はない。手で洗う。インターホンは切る。来客にはチリンとベルを鳴らしてもらう。アイロンの燃料は木炭(コタツも)。そして最終的には、冷蔵庫も、捨てます(父さんが「家族がおなかをこわさないこと」を条件にするのが、いい)!
最初のうちは、なんかすごすぎるぞ…と若干引き気味で見ていた私ですが、徐々に「よし! 次は何の電気を切る?」と、ワクワク!というのもこの母さん自身が「私、正しいことしているでしょう?」ではなく「あー超楽しい!」という感じなのです。
節電をエンタメにする、すご腕母さん。我こそはというツワモノの奥様は、ぜひトライを(アンペアを下げる、とかすぐできそうなアイデアも満載です)!
アパート(トキワ荘)で共に暮らす、昭和の漫画家志望の青年たちを描いた藤子不二雄A『まんが道』(小学館クリエイティブ)にも、楽しい節約術が。彼らのお助け食材は、キャベツ!
せん切りはもちろん、お味噌汁にもいれるし、炒めただけのキャベツは飲み会のツマミに(これがおいしそうなんですよ)。銭湯に行かず、夜中に台所の流しで水浴びをするツワモノもいますが、悲壮感はゼロ。大きな夢のためにする節約もまた、ワクワクした明るい空気に満ちたものなのでした。
節約が苦手な人も、得意な人も、とりあえずイメージトレーニングといきましょう!
■文/門倉紫麻
※女性セブン2013年4月4日号