4つの線路が並ぶプラットホーム。かまぼこが横に並べられたようなモダンな屋根。東急東横店の2階に造られ、独特なアーチ状の外壁の切込みから風が吹き抜けることから「風渡る駅舎」と呼ばれた東急東横線渋谷駅が地下に移り、地上駅として、85年の歴史に幕を下ろした。
3月16日午前0時44分出発の最終電車を見送ろうと、カメラを構えたのは、鉄道ファンだけではない。サラリーマンや学生、主婦なども大勢いた。芸能界きっての「鉄道ファン」として知られる石原良純(51才)に意見を求めると、こんな答えが。
「いいじゃん、別に。東急東横線渋谷駅はホント狭いな、という印象しかないですね。幅も狭すぎて混雑してたらホーム下に落ちそうになる。それにあの駅は風が吹いて寒いし、雨が吹き込むしさ」(以下、石原)
涙ながらに渋谷駅への思いを語ると思いきや、意外(?)な答え。でも、そこにはこんな真意があった。
「“自分が乗っていた電車が懐かしい”“このホームで昔、ガールフレンドと別れたよね”とか、そういうことが大事なのはもちろんわかるんだけども、それは過去なわけよ。そもそも鉄道は変わっていくものだから。生き物なんだよ。進化していくものなんです。変わっていくのは面白いよ~。天気予報と一緒ですよね。
いちばん大事なのは今なのよ、ぼくの中では。駅が変わって、今度は“時刻表がどう組み変わるの?”“どんな電車が走ってくることになるの?”“どこどこの車両基地には何種類の電車が並ぶことになるんだろう?”ぼくはそういったことに興味がいくんですよ。悲しんでるばかりじゃなく“新しい東横線を見ててくれ!”とみんなには言いたいですね」
※女性セブン2013年4月4日号