ひと晩をマクドナルドで100円で眠る人〈マクド難民〉がいる一方で、ひと晩で100万円飲む男がいる。ネオヒルズ族と呼ばれる与沢翼氏の目には、〈マクド難民〉はどう映っているのか。作家の山藤章一郎氏がインタビューした。
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毎月3000万円以上遣う六本木の男・与沢氏に〈マクド難民〉を知っているかと訊いた。
「知ってますよ。でもこんなこというと、めちゃくちゃ批判浴びますけど、クソですね。……自分がね、全く同じようにクソだった時代があるから。
コンビニやサイゼリヤの前でたむろして、脅しやナンパ、くっだらないこと朝までやって。ワープアの人全部がそうではないのはきまってるけど、ぼくがクソだった時代と同じで、彼らは夢とか目標がなく、惰性で生きてるんです。そこから這い上がらないと、本当にクズになっちゃう」(与沢氏・以下「」内同)
──ハローワークに毎日通って、みなさん職をさがしていますが。
「しかし、安いながらバイトやってればそこそこ食える。彼女もいるし、まあ幸せだと。そういう奴が圧倒的に多いんです。それでいいのか。目を覚ませ、いちどショック受けて自己否定してみろよ。プライドなんかあったらそれ消せよって、強くいいたい」
──格差がひろがっています。
「社会のせい、会社のせいにしない。自分自身のできることは何かを考える。〈マック〉で眠るより、100社でも200社でも受けたらどうか。1社でもひっかかったら、そこはなんらかの経済性で成り立っている組織です。学べることがきっとある。『仕事がない』とへたれをいううだつのあがらないオッサン、若いフリーターには心を入れ替えてもらいたい。
ぼくは、プライドなんて持ったことない。偉くもない、出自も汚い。だから、自己評価が高くなく、批判されても傷つかない。いまカネがゼロになっても、会社がつぶれても怖くない。どんなことになっても本気出したら、1か月1億稼ぐ自信ありますから。『また与沢倒産した。でも復活した』ってね。それも伝説かな」
※週刊ポスト2013年3月29日号