写真に写った自分の後ろ姿を見て愕然とした経験はないだろうか。ねこ背になると老けてみえるだけでなく、不調の原因にもなる。
「“お皿を洗う”“アイロンを掛ける”など、女性が日常的に行う家事のほとんどの動作は、腕を前に出して行うもの。また、近年のIT化で、パソコンを操作する行為や、携帯電話でメールを打つといった行為が頻繁に行われますが、これらの動作はすべて自然と下を向くことに。それに連動して肩が前に出て、背中が丸くなります。これこそがねこ背の大きな原因なのです」と話すのは、ねこ背治療に詳しい碓田拓磨さん。
丸い背中がクセになると、本来ラクなはずの正しい姿勢が苦痛になり、常にねこ背になるという悪循環に陥る。
「ねこ背だと、実年齢よりも5才くらい老けて見え、印象もダウン。さらに骨格や筋肉、神経系に負担をかけるため、これが原因で、腰痛や肩こり、頭痛、便秘、自律神経失調症など、体の不調を招く原因にもなってしまいます」(碓田さん・以下同)
原因不明の体調不良を訴え、あちこちの病院で治療や投薬を受けても改善されず、姿勢改善を行ったところ、それらが治ったという人も少なくないそう。
ねこ背自体は病気ではないけれど、“たかがねこ背”と侮るのは大間違い。見た目にも体調にも多大に影響することを知って、日々の姿勢に気を配りたい。
関節や筋肉、胃などに影響が大きい背中ねこ背は、背中の真ん中あたりに丸まりの頂点がくるタイプで、腕を組むクセのある人がなりやすい傾向にある。
「背中の中心に負荷が集中するため、関節や筋肉に痛みが生じやすくなります。また、内臓の自律神経を圧迫するので、胃や肝臓の働きを低下させて胸焼けや胃酸過多などになることも」
腰痛や便秘になりやすいのが、腰ねこ背で、腰に丸まりの頂点があるのが特徴。立っているときは目立たないが、座っているときになりやすく、手で腰を触ると、背骨のゴツゴツした突起が感じられる人は要注意。足をよく組む人もなりやすい。
「腰に負担がかかるので、椎間板ヘルニアを引き起こす危険も。便秘の原因にもなるので注意」
女性に多く、腰を痛めやすいのがお腹ねこ背。立ったときにわかりやすく、お尻が後ろに出過ぎているタイプと、お腹が前に突き出て腰が反りすぎているタイプがある。
「ハイヒールを履く女性がなりやすい。腰に大きな負担がかかるので腰痛に悩まされたり、腰が強く反ったぶん、首ねこ背や背中ねこ背を誘発する危険も」
最後に、頭が前に突き出て見え、肩の痛みに悩む首ねこ背。首のつけ根あたりに丸まりの頂点があり、頭だけが前に突き出て見えるのが特徴。高い枕で寝ている人がなりやすい傾向がある。
「首から背中上部にかけての神経を圧迫するので、肩や腕がしびれたり、肺や心臓、気管支に負担をかけることも。四十肩、五十肩に悩まされやすいのもこのタイプの人が多い」
※女性セブン2013年4月4日号