最近、バラエティーでよく見かける「ひな壇番組」。お笑い芸人だけではなく、モデルのローラ(22才)や鈴木奈々(24才)など、ひな壇からブレイクしたタレントも多い。
出演する側にとっても、うまくハマれば天国だが、ハマらなければ地獄なのがひな壇番組の怖さ。2007年に「右から来たものを左へ受け流すの歌」で大ブレークし、一時は月に640万円稼いでいたこともあったというムーディ勝山(32才)。だが、現在はほとんど仕事がない。
一昨年結婚した妻が働きに出るのを見送るために朝7時に起きるも、再び就寝。ムーディが起きるのは『情報ライブミヤネ屋』(日テレ系)の始まる午後2時頃で、あとは先輩から食事の誘いを待つのが日課だとか。
「ワ~ッといった時は、このままテレビタレントとして食っていけないものかな、という甘い考えを持ちましたよ。でも、ダメでした。ひな壇に出た時は、とにかくなんとか大きな声を出して、すべった感を出さないようにしていましたけど、ぼくには何でもない話をオチをつけて面白く話すことができなくて(苦笑)。
面白いことを思いついても、他の人が先に言ってしまう。瞬発力がないんですよね。今、出ている芸人ですか? みなさん、うまいんじゃないですかねェ」(ムーディ)
この逆境も右から左へ受け流しているようで心配だが、ムーディの他にも、かつてネタ見せ番組で一世を風靡しつつも、ひな壇に適応しきれなかった芸人は少なくない。レイザーラモンHG(37才)やヒロシ(41才)、波田陽区(37才)やエド・はるみらも、テレビで見かけることはすっかり減った。
「なんでだろう」で人気を博したテツandトモは、テレビから舞台へと活躍の場を移し、今では毎月15本前後、全国各地に営業に行っているのだという。ひな壇芸人について話を聞くと、
「ひな壇で活躍されている芸人さんは、一瞬の間を逃さず、しかも短い言葉で、笑いを生み出す能力があると思いますね。僕らは、その一瞬の間を逃し、話そうと思ったことを話せなかったことが多々ありました。ただ、ネタ見せ番組と比べて練り込まれていない笑いだとは、決して思いません。トークもしっかり計算されたものだと思います」とのこと。
※女性セブン2013年4月4日号