「ここ数年、為替市場を動かすのは常に海外発のニュースでしたが、ここにきて東京発の為替レートが世界をリードするような熱気を帯びています」と目を輝かせるのは、三菱東京UFJ銀行金融市場部為替グループ上席調査役の野村拓美氏だ。
アジア最大級とされる三菱東京UFJ銀行のディーリングルームは500人規模のディーラーなどと取引端末が所狭しと並び、室内は異様な熱気に満ちている。その為替売買取引量も昨年11月の衆院解散宣言までは1日当たり平均30億ドル程度だったが、最近では40~50億ドルにまで膨らむ日も珍しくないという。
為替取引は1円以下の単位でやりとりされるため、円単位を省いた「83~84銭で買い」といった攻防が繰り広げられているが、ここにきて1日に1円以上の値動きも目立ち、アベノミクス効果への期待感はさらに高まっているのだ。
撮影■ヤナガワゴーッ!
※週刊ポスト2013年4月5日号