アベノミクス効果で金融市場は活況を呈している。もちろん、それは株式市場だけでない。商品(コモディティ)市場でも同様だ。
今年1月、東京、大阪の両証券取引所が経営統合して「日本取引所グループ(JPX)」が誕生したが、取引所再編の波は商品先物市場にも押し寄せ、今年2月には東京工業品取引所と東京穀物商品取引所が合併し「東京商品取引所」が発足した。
東京商品取引所発足直後には、円建ての金価格が5000円を超えて史上最高値をつけるなど、上々の滑り出しを見せた。アベノミクスへの期待感も相まって、「1日平均の出来高は昨年11月の11.5万枚(1枚=500万円)から15.7万枚と右肩上がりで伸びている」と語る、同社広報部の荒木浩介課長の表情は明るい。
これまで日本の先物取引は取引業者によるトラブルが続き、多くの規制がかけられていた。日本の取引所が海外に後れを取った原因の一つである。
「東京市場の外国人投資家の比率は31.5%と過去最高の水準にまで高まっています。今後は商品市場の活性化・多様化により、アジアの中核的な総合商品市場を目標とし、世界シェアの奪還を目指したい」(荒木課長)
アベノミクスによる規制緩和がさらに進めば、その野望も決して絵空事ではなくなる……。
撮影■ヤナガワゴーッ!
※週刊ポスト2013年4月5日号