シンガポールに拠点を置くカリスマファンドマネージャー・村上世彰氏が活動を再開している。村上氏と関係の深い投資会社「レノ」が新たな“村上ファンド”と見られている。
そのレノが150億円を超える巨額資金を投じて2割の株式を取得したのが、国内最大手のゴルフ場運営会社アコーディア・ゴルフだった。昨年来、同社は同業2位のPGMホールディングスから敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けられ、買収の危機に直面。そこで村上氏が動いた。
証券会社関係者がいう。
「PGMがTOBに踏み切った3日後、レノはアコーディアの株買い占めを開始。レノの真意は不明だが、買収劇に乗じ、できるだけ株を買い集めて、最後はPGMに高値で引き取らせるつもりだったと見られる。
しかし、TOBが不成立に終わり、その計画は頓挫した。株取得後、村上サイドはアコーディアの経営陣とミーティングを重ねていたので、非公表の情報を知るインサイダー規制の対象者になり取引ができなくなった。値崩れを起こすので、市場でも売れない状態だ」
アベノミクス相場を横目に、150億円もの資金を塩漬している村上氏の心中はいかに。
※週刊ポスト2013年4月5日号