昨年末の紅白出場後、TVやCMでの露出度も一気に増え、ますます勢いを増すビジュアル系エアバンド、ゴールデンボンバー(通称「金爆」)。そんな金爆のBe-su(ベース)担当、歌広場淳が1月1日に記したブログ記事がネットの各所で話題となった。
2013年の自身の活動への思いについて、歌広場は以下のように記している。
〈今年はどうなるんだろう。僕はどうなるんだろうなあ。今の自分はこれからのゴールデンボンバーに必要じゃない気がします〉
これに対して、「自分はゴールデンボンバーに必要じゃない」というところだけが取り沙汰され、ファンからは嘆きや励ましのコメントが殺到。その数は4000件を超えている。(※2013年3月現在)
「4人そろってこそ金爆」「そんな悲しいこと言わないでください」「泣きそうになりました」「悩んだり、苦しいこともあると思うけど応援しています」「淳君が無理しているのは分かります」──。
こうしたファンの対応に、歌広場は〈一日のブログで書いたことが何かと取り沙汰され、色々と良くない反響を呼んでしまいました。心配して下さった人には本当に頭を下げなくてはならないと思います。ごめんなさい〉とブログに記し、当時の心境を振り返りながら辞めるつもりはない旨を伝えた。
しかし、この問題に関して、若者の文章読解力の低下を指摘するのは都内の予備校で現代文を教えるササキ氏(37歳)だ。
「歌広場さんの日記は、どう読んでも『今のままの自分ではなく、今年は成長したい』という意思表示です。『今の自分はいらない』というのは、『今の自分』では力不足なくらい『新しいゴールデンボンバー』になるだろう。そして、それに不足のない自分になろう、という意気込みです。自分に喝を入れているんです。それを『辞めたい』というメッセージだけ受け取り、勝手になげくファンには心底驚きました」(ササキ氏)
ササキ氏は昨今の学生たちにも、同様の文章読解能力の低下が散見されると話す。
「こういう読解ミスをする生徒はとても多いです。じっくりと小説を読みながら、表面的な言葉の裏側にある本意を探る、物思いにふける時間があまりないのかもしれません。
スクロールしてすぐに読めるブログというメディアは、とくにこういった誤解を生みやすいでしょう。一瞬で目に入ってきた表層的な情報を、そのまま受け取り、そのままコメントなどで感情を発露してしまうんです。
芸能人などのブログコメントには、早とちりで感情的になっているものもよく見受けられますね。自分が担当している学生が、選択問題で良くやるミスと非常に似たものを感じますね」(同前)