夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(51歳)がカード会社勤務の奥様(47歳)。奥様の父親と同居するため、実家への引っ越しとなりました。
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母が一昨年に亡くなり、1人住まいだった父も体が弱ってきて、介護の必要が。父を引き取るより、私の実家のほうが広いので、引っ越しとなりました。
「必要じゃない物はなるべく捨てよう」主人にいわれましたが、思い出の品とか、なかなか捨てられないですよね。主人からもらったラブレターも大切に保管していて、引っ越し前夜、「懐かしいわ」と読んでいると、「お義父さんに見つかったら、恥ずかしいだろ。捨てろ」と主人。
「あなたも捨てる物、たくさんあるのよね?」
「僕が必要なのは、この段ボール1つだけだ」
見ると、表に「重要書類」の文字が。「何よ、これ?」開けると、中には何冊もの写真集が。
「麻田奈美、堀江しのぶ、岡田奈々、水沢アキ……どこが重要書類なのよ!」
「僕にとっては青春の重要な思い出の書なんだ。麻田奈美、射手座で、たわわなバストは88。東京の渋谷出身で、好きな色は黒!」
「そんな情報いらない! これの方が父に見つかったら恥ずかしいでしょ?」
「77歳の父へのプレゼントも用意してる。今年74歳になる五月みどりの写真集だ」って、何よ、そのドヤ顔。何の言い訳にもなってないですからね!
※週刊ポスト2013年4月5日号