ビジネス

時価総額300億円社長 冷蔵庫なし8畳1ルームに住むわけ

冷蔵庫なし1ルーム暮らしをする”時価総額300億円社長”村上太一氏

 大学1年生で創業し、25才で最年少上場社長となった「リブセンス」の村上太一社長(26才)。現在、同社の時価総額は約300億円にまで成長しているが、村上さん自身は上場した後、それまで住んでいた部屋よりも狭い8畳1ルームの部屋に引っ越し、部屋には冷蔵庫もテレビもないという。かつてのベンチャー社長とは一線を画し、巨額を得ながら、お金や物には執着はない様子。そんな村上さんのお金への価値観とは? 仕事上でスピードや効率を大事にしているということから、時間管理術についても聞いた。

――会議術なるものがあるそうですが、具体的にはどういうことですか?

村上:社員には若干迷惑をかけてしまうことになりますが、1時間の中に時間を区切らず2つのミーティングを入れています。社員とは、先か後かおよびそれぞれ所有時間は最大30分とだけ決めておいて、先のミーティングが終わった瞬間に次のミーティングの社員を呼んでミーティングを開始します。30分、30分で区切るよりは、1時間の中に2ついれた方が、集中が途切れずミーティングできますし、余った時間を有効に使えるんです。

――時間管理術もあるそうですが?

村上:時間管理はいろいろ細かくやっています。自宅には掃除する時間をとらなくていいように自動掃除機のルンバがありますし、靴下を選ぶ時間ももったいないので全部同じ種類の黒にしています。あとはオフィスの近所に住んで通勤時間も短縮しています。健康を維持するために漢方をのんでいますが、これも最終的には時間管理になると思っています。時間管理術って、寝ないで時間を作るよりも、体調を健康な状態に維持し続けるのがいちばん大事だと思っています。私、4年間風邪をひいていないんです。健康管理も睡眠がいちばん大事だと思いますね。睡眠の質をあげるために、いいマットレスを買って、鼻に張るシールで空気の収集効率を良くしたりもしています。

――上場した後に、それまでよりも狭い部屋に引っ越したのはなぜですか? 冷蔵庫がなくて不便ではないですか?

村上:狭い部屋に意図的に引っ越したわけではなく、あまり気にしていないだけで、なぜという理由もないんです。浴室乾燥機があって、宅配ボックスがあって、6畳だとベッドと机で仕事ができる環境が作れなかったので、8畳以上という条件で決めただけなんです。冷蔵庫も以前はあったんですけど、使わないから、いらないんですよね。あと、アイスを入れておくと太る原因にもなるので、よくないと思ってやめたんです。

――お金にあまり執着がなさそうですね。

村上:結構大事だと思っていますよ。やりたいことを実現していくにあたって、やっぱりお金がないとできないこともありますし。例えば、私は好奇心が結構旺盛なので、スカイダイビングや宝塚、歌舞伎なんかをやってみたい、観てみたいと思っています。何かをやりたいと思ったときや、何かを選択していくにあたってお金は絶対に必要なものだと思っています。ただ、物欲はあまりないかもしれませんね。

――物質的なものよりも精神的な豊かさが大事という村上さんが思う幸せとは?

村上:人間は誰でも、遺伝子レベルで承認欲求や表現欲求を持っていると思いますが、私が新たな会社を作って新たなサービスや価値を提供しているのも、その欲求なのかなと思います。私は、私の取り組みで周りの人が幸せになってるということに幸せを感じるんです。その幸せという言葉の裏には、きっと人間の承認欲求や表現欲求があるんだと思いますね。昔はお金を持っていてフェラーリに乗ることが承認欲求という人がいたかもしれませんが、私にとっては誰もが使うウィキペディアやFacebookを作った人のほうがかっこいいと思います。当社も「あたりまえを、発明しよう。」というビジョンを掲げ、誰もが使う、なくなると困るようなサービスを開発したいと思っています。

――村上さんより少し下の、ゆとり世代についてどう思いますか?

村上:私は、もしゆとり教育を受けていても、運動会で一緒に手をつないでゴールとかふざけんなよ!って思っていたと思いますね。意味がわからないと反抗していたと思います。ゆとり世代だったら、もう少し尖っていて、世の中に反抗していたと思います。そういう教育をされそうになったら、それはおかしいとすぐ言っていると思いますね。私、大学の授業とかでも、筋が通っていないことに対して先生に直接言うことも結構ありましたから。

――仕事で、怒ることってあるんですか?

村上:怒らないですね。でも、感情的になることはあります。私、感情も大事にしないといけないと思っていて、会社をやりたいというのも最初は感情だったので。むしろ右脳と左脳のキャッチボールをきれいにできないとだめだと思います。“なんかわからないけどスカイダイビングをやってみたい”から、最近は“私は新たな体験が好きなタイプだからスカイダイビングをやりたい”というように言語化できるようになってきましたけど、どちらかというとすべて感情先行ですね。

【村上太一(むらかみ・たいち)】
1986年10月27日生まれ。東京都出身。株式会社リブセンス代表取締役社長。早稲田大学政治経済学部に在学時、受講していた「ベンチャー企業家養成基礎講座」のビジネスプランコンテストで優勝。2006年に大学1年生でリブセンスを設立。2011年12月に東証マザーズ、2012年10月に東証一部へ史上最年少25才で上場。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン