中国の習近平・国家主席が中国の最高指導者に就任して初の外遊としてシア・アフリカ諸国訪問を訪問した。同行した妻の彭麗媛さんもファーストレディとしてのお披露目外交となったが、中国では軍歌舞団の歌姫として名の知れた大スターだけあって、その注目度は極めて高く、洋服やバッグは検索サイトで数多くヒットし、早くも売り切れ状態になっている。
ニューヨーク・タイムズなどによると、彭麗媛さんが最初の訪問国であるロシア・モスクワに到着し、夫の習主席とともにタラップをおりた際の出で立ちは黒いコートに黒いスカート、さらに黒のソックスに黒の靴、持っていたバッグも黒と、黒ずくめだった。
着用していたトレンチ風の黒いコートは国産で、遼寧省大連市の衣料品メーカーのオーダーメイドで300ドルから400ドル(約2万8000円~3万8000円)。また、ブランド品を思わせる黒いバッグも国産で、広東省のメーカーの製品。値段は明らかではないが、ネットで大きな話題を呼び、製造元の会社のホームページや通販サイトなどにアクセスが集中した。
さらに、この2社の株価もそれぞれ10%以上も上がるほどの人気ぶりを示した。
中国専門家で、茅沢勤名義で『習近平の正体』(小学館刊)など習主席に関して多くの著作があるジャーナリストの相馬勝氏はこう語る。
「彭麗媛さんは2007年秋、習氏が中国共産党大会で、党最高指導部である党政治局常務委員会入りし、5年後の2012年の党大会で最高指導者に選出されることが決まると、軍歌舞団の活動のほか、プライベートな行動なども派手にならないように意図的に抑えてきた。
将来のファーストレディにふさわしく、国連の健康親善大使や世界保健機関(WHO)のエイズ親善大使に就任し、チャリティ活動に精を出しています。名誉職的な中国音楽家協会副主席や総政治部歌舞団団長に就任、中華芸術文化賞を受賞するなど、文化的活動を活発化し、ファーストレディとして準備して、今回の外遊はファーストレディ・デビューとして満を持しての登場といえる」
服装は地味目だったが、自身の体型にピッタリと合わせたファッションで、ニューヨーク・タイムズ紙は彭麗媛さんについて「グラマラスで、ファッショナブル」と報道した。
このほか、「中国のファーストレディ外交を根本的に変えるだけの素質がある。心配なのは、彼女が知らず知らずのうちに、ナンバー1(習近平主席)を超えるだけのパフォーマンスを成し遂げることだ」との識者の懸念をCNNが報じている。