知的で清楚な女子アナは、世の男性にとって大きな癒し。しかし男が好きな女子アナに限って「女ウケ」が悪いもの。たとえば女性が多く投票していると思われる『週刊文春』(3月28日号)の「嫌いな女子アナランキング」は、1位・田中みな実(26・TBS)、2位・高橋真麻(31・フジ)、3位・中野美奈子(33・フリー)、4位・加藤綾子(27・フジ)、5位・有働由美子(44・NHK)……。女たちは独自のセンサーで人気女子アナの「あざとさ」を感じ取ってしまうのだ。新進気鋭のライター仁科友里氏が、「女性ならでは」の視点で解説する。
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女たちが女子アナを評価する基準──それは一言でいえば「もし同僚だったら」。つまり「嫌いな女子アナ」とは「一緒に働きたくない女」なのだ。だから「男ウケ」ばかりを狙ってる女子アナは鼻につく。それは男性にもわかるだろうが、女性がもっと敏感に「あざとさ」を感じとるのは、男性から一見「同性ウケしそう」と思われがちなタイプのほう。
その代表が有働由美子アナ。文春でワースト5位にランクしたのも納得だ。サバサバして女を捨てたかのような言動が持ち味の彼女は、同性にもさぞ共感を得ているだろう──そう考えるアナタは甘い甘い。
実は「サバサバキャラ」とは、自分に自信マンマンだけど容姿は……という女子がとりがちな処世術だ。
ミス慶応、ミス青学……。ミスコン優勝者ばかりの女子アナ界では、有働アナはけっして有利とはいえない。
そこで彼女はあえて三枚目路線を選んだ。美人には及ばないが、笑われキャラは座持ちがいい。男性も絡みやすいし、社内評価も高くなる。損して得とれというが、有働アナは三枚目を積極的に演じることによって、自らの存在感を強烈に印象づけたのである。もともとアメリカ勤務、紅白総合司会とNHKのエリート街道を歩む彼女だから、そんなことじゃプライドはまったく痛まない。
ブリッ子という行為はオンナをより可愛く見せるためにあるが、これは容姿と年齢を選ぶ。小林麻耶の例を挙げるまでもなく、このタイプは30代で続々脱落していく。しかしサバサバタイプには年齢制限がなく、顔面偏差値も問わない。
サバサバタイプの狙いは、「評価の上書き」だ。
美人ではないけど、よく見たら悪くない。しかも面白くていい子だし。そう男に思わせたら、作戦は大成功。つまりサバサバもブリッ子もアプローチは違えど、結局は男に媚び媚びなのだ。女がその目論見に気づかないわけはないのである。
※週刊ポスト2013年4月12日号