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派遣社員への差別「避難訓練の日時さえ教えてもらえない」

 正社員と非正規雇用との間には給与、労働条件以外にもさまざまな格差がある。同じ仕事をしているのになぜか「正社員ではない」というだけで差をつけられる。これは新たな差別だ。

 派遣社員のBさん(30代)が事務職として働く医療機器メーカーでは、派遣には決まった机が与えられず、いくつかまとめて置かれた机に出社した人から順に座る。だが、机の数は派遣1.5人に1つ。当然、椅子取りゲームに敗れたように、机からあぶれる人が出る。

「椅子は人数分あるので、他の人に間借りをするように机の隅っこを使って仕事をします。生産性が落ちるのに、どうしてこんな差別をするんですかね」(Bさん)

 Bさんのいる部署には出世ラインを外れた40~50代の正社員が多く、彼らが陰湿なイジメを主導しているという。彼らは、正社員と派遣とでコーヒーメーカーやお茶を淹れるポットを別々にする。派遣にだけメモ用紙としてミスコピーの裏紙を使わせる……。

「避難訓練の日時を教えないと言われた時は、怒りを通り越して呆れました。“派遣には正社員と同じ情報を与えられない”からだそうです。避難訓練の日時は機密情報なんですかね(笑)」(Bさん)

※SAPIO2013年4月号

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