エッフェル塔からピラミッドまで……。中国に行くと、いったいここはどこの国か、と見紛うほど、世界各国の有名建築物のコピーが無断で建設されているのがわかる。たとえば上海市閔行区には、あのアメリカ国会議事堂そっくりの建物もあった。
写真で紹介するのは、日本の裁判所に相当する司法機関「閔行区人民法院」。敷地入り口の守衛は「アメリカの建物に似ている気もするが、よくわからない。中国文化と西洋文化の融合だ」などと強弁していた。
ほかにも安徽省や江蘇省、湖北省など中国各地の政府機関がこぞって模倣しており、その数は数十か所にのぼる。なかには四川大地震で得た寄付金を流用した疑いで問題視されたケースも。中国人の頭の中には、どこか「アメリカ=権力の象徴」という図式があるのだろうか。
撮影■藤岡雅樹
※週刊ポスト2013年4月12日号